クローバーの起こしたキセキ





時間というものは不思議なもので、嫌なことをしている時は遅く感じられてしまうし逆に好きなことをしている時はとても早く感じられる。
私にもそのことはぴったりと当てはまる。
いつもは長いと感じる授業も数分に感じられたし、碧海に好みのタイプを聞かれまくっていた放課後はものすごく長く感じられた。
そして今、まだ三分ぐらいしか経っていないのに、三時間にも感じられる。




「桜井さんって可愛いね、麻美って呼んでもいいかな」




嫌です、なんで見ず知らずのあなたにそんな馴れ馴れしい呼ばれ方されなきゃダメなんですか。




「ダメダメ、麻美って呼んでいいのは俺だけに決まってるだろ!」




私そんなこと一言も言ってませんけど、っていうか今はどの男の子にも麻美って呼ばれたくありません。




「麻美、もっと明るく楽しもうよっ!みんな麻美にアプローチしてるんだからさ!」




「碧海のバカっ、みんな私の苦手な感じの人達じゃん!」






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