クローバーの起こしたキセキ





そう、みんな、というかカラオケ合コンに来ている男子三人。
みんな見た目も性格も違うようだけど、華やかな雰囲気が少し苦手だ。
幸いというか、女子は私と碧海だけだったので女同士のいざこざはおきない。
だけど、私はもう帰りたくて帰りたくて仕方が無い。
と、そこで電話が来た。




「私、電話きたからちょっと出てくるね」




タイミング良さすぎっ、ありがとうございます電話の主さまっ。
私は部屋から出て少し離れてから電話に出る。




「はいもしもし、桜井麻美です」




『麻美ちゃん、今すぐ辰也がいる病院に来れる!?事情は後で詳しく説明するから!』




電話をかけてきたのは海原君のお母さん。
だけどその声は普段と違い、とても慌てているように聞こえる。
私は行きます、と言いかけてほんの少し迷う。
海原君に来るなと言われていたから。




『来れないならいいのよ麻美ちゃん』




私がずっと喋らないでいるのを都合が悪いと解釈したのだろう。
切るわね、という声を聞いてから戸惑いを捨てる。






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