クローバーの起こしたキセキ
「うん・・・。
ありがと、教えてくれて・・・」
「今日は部活、休んだら?」
そうか、どうしようかな・・・。
「ううん、行く。
どうせ家行っても誰もいないし」
「そ・・・・・」
碧海・・・・・?
「すいません、遅れました」
「うん、いいよー。
転校生を案内してるって碧海から聞いてたし」
この人は紅峰冬夜(あかみね とうや)。
写真部の部長さん。
顔はまぁまぁ整ってる。
良く私と喋るけど、その理由は・・・ふふっ。
「今日はどうする?自分の使う?」
「あー・・・。
借ります」
忘れちゃったんだよね、カメラ。
「今回のお題は何ですか?」
「うん、そうだね・・・。
よし、今回は『喜び』。
これにしよう。1ヶ月後提出ね」
「「はーい」」
返事をしたら、部長さんが囁いた。
「今日屋上、来れる?」
頷く私。
もう部長さんは何も言わないけど目に強い決心が現れていた。