クローバーの起こしたキセキ





「海原君、ごめんね来ちゃったよ。
約束破ちゃったね、だけどこれが本当に最後になっちゃうんだね。
ね、海原君」




ピーーピッ




「私ね、本当に海原君が好きだったんだよ。
あんなに酷いこと言われたのにね、まだ好き、大好き。
この気持ちに偽りは無いよ」




ピーーーピッ




「そろそろお別れだね、海原君。
私も遅くなるかもしれないけどちゃんとそっちに行くから。
その時は、仲直りしようね?」




ピーーーーピッ




「ばいばい、海原君」




ピーーーーー




私は涙を流すことなく淡々と言っていった。
まるで自分じゃなかったかのよう。
私自身が一番驚いている。
私って、最悪な人間だ、好きな人が死んだのに何も思わないってどうかしてる。
私は、そんなことを思いながら、糸が切れたように地面に座り込んでいるお母さんに挨拶をして歩いて帰った。






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