クローバーの起こしたキセキ





「だって、伝言したじゃん。
なのに言った本人が来なかったら何様だよ!みたいになるから?かな?」





こう言うと、海原君は、はーーーーーーーっと、とっても深いため息をついた。
そして本日2度目のバカを言われ、続けた。





「ったく、母さんから時間は聞いてなかったって聞いて、朝から行こうとしたけど雨降ってるし・・・。
・・・・・悪かったな、約束破って」





私は、バカと二度も言われショックを受けていた。
でも、無意識に喜んでいる自分も居た。
海原君がこんなに喋ってるのを見たのは初めてだったから、それに少しだけど瞳に光が差していたから。
それだけに次の言葉には驚きを隠せなかった。





「でも、もう俺と関わっちゃいけねぇ。
・・・・・特にお前はな」




綺麗に整った口から発せられる言葉と同時に、うっすらとした光は消えて行った。





「やだ。
っていうか、私が来てって言ったから来たからには話聞いて。
・・・・・私と、友達になってもらってもいいですか?ううん、なろうよ!海原君が誰とも関わりたがらない理由、私分かるよ。
だって、私もお父さん、逝っちゃったから。
大事な人を失うのが怖いんでしょ?大丈夫、私は離れないよ。
一生ね!」







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