クローバーの起こしたキセキ
ショックのせいで声がかすれる。
しかし必死で言葉を紡ぎ出した。
「私は、私はどうしたらいいのかしら・・・・・?もうたった2ヶ月しか残されていないのに・・・・・。
・・・・・麻美ちゃんの、判断に任せるわ・・・・・」
お母さんもショックを受けている。
当たり前だ。
本来なら、子供が結婚してそんで可愛いお嫁さんができる、そして孫ができて、いっぱい愛情を与えるはずだったのに。
私だっておんなじだ。
もしも海原君が病気じゃなかったら、普通に笑えていていつも話の輪の中心にいたと思う。
そして、普通に恋とかもしていたんだろうな。
海原君に伝えたら、多分怒り狂うと思う。
でも私は、海原君に自分の好きなことを
してもらいたい。
悔いが残らない人生になるように。
「お母さん・・・・・。
伝えに、行って来ます」
こういうとお母さんは先ほどの表情が嘘のようにふんわりと優しく笑いながら言った。
「それが麻美ちゃんの判断なのね。
ぜひ、麻美ちゃんの口から伝えて頂戴。
あと、お見舞いが終わったら、少し私と話をしましょうか。
カウンターで待ってるわね」