クローバーの起こしたキセキ
・・・・・海原君、お母さんに頼むって言ってたけど、もう学校来ないんだ。
「碧海、みんなの反応はどんなだった?」
「みんないろいろ。
涙ぐんだり、ため息ついたり、遠い目っぽいやつしてる人とかかな。
私は悲しいとは思わないけど、クラスメートがいなくなるってのはさみしいと思った」
海原君、みんなうざがったりなんかしてなかったよ。
悲しがってたって。
ねぇ、そんなに長い付き合いじゃないのに、みんな海原君のこと、気にかけてたってことだよ。
「碧海、私行ってくる。
お母さん兼海原君のとこに。
病院に行ってくるよ。
いつも迷惑ばっかりかけてごめんね」
こう言って、私は碧海の目を見た。
碧海は海原君のことになんにも言わなかった。
ただ笑って、行ってらっしゃいって言ってくれた。
「ありがとね、碧海。
いつか全部話すから」