女達の戯言
けれど、転機がきた
女が二杯目の生中を頼むときに

『あなたをちょうだい!』

とか言いやがった

マジかよ~

目の前の極上の女が俺を欲しがってる
つか、俺、この女抱けるのかよ…
うぉぉぉおおお

いけね
ついつい、テンション上がっちまったな
落ち着け、俺
俺は一呼吸つくと
また煙草に火をつけた女の耳元で囁いた

『後でたっぷり喜ばせてやっからよ』

女は一瞬驚いた顔をしたけどゆっくりと
また煙草の煙を吐き出した

俺はにやける顔をカウンターの中にいるおやっさんに、絶対見つからないよう生中のお代わりを用意する

そして、持っていってやったときに女に言った

『まずは名前教えろよ』

すると女は

『ウフッ……喜んで』

って笑顔で言いやがった

やっぱ、この女
サイコーだわ

俺はこのあと、子供みてぇに閉店時間になるのが、待ち遠しくて待ち遠しくて仕方なかった




『喜んだ男~喜んだ女より』


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