Sweet*Princess



「なにまぬけな顔してんだよ。はやくきがえろ」


「え、あ、うん………て、壱斗は?」



今日はそう言えば休日だ。


なのに……、どうして壱斗はいないの?



「壱斗お兄ちゃんはぶかつだろ。しゅしょうなんだからな」


誇らしく“主将”と言う明斗くんに、思わず笑みが零れた。



ほんとに、壱斗が好きなんだなぁ─……




「だからきもい顔してわらってんなって。はやくいくぞ」


「はいはぁいッ」




少し機嫌がよくなった私を、


明斗くんが心配そうな顔で見てたことに


ルンルン気分な私は気付かなかったんだ

















目にも止まらぬ速さ、ってこういうことかも。


明斗くんとお出かけできるからってルンルン気分な私は、


10分もしない内に出かける用意を終わらせた。





「おう、姫乃にしては早いな」


可愛らしい笑顔にキューン……


憎たらしい言葉は聞かなかったフリをしてあげよう。




「行こっか」


「ハイっ♪」




・・・・・・・



ちょっと待って



「明斗くん、どこ行くの?」



お出かけの目的と行き先、聞いてないんだけど─…?




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