私は男を見る目がないらしい。
「相原さん、お強いですね」
「え?」
急に名前を呼ばれ、はっと声の方向に目を向けると、穏やかな笑みで私を見ている男の人がそこにいた。
最初見た時から、すごく落ち着いていて大人っぽい人だな、という印象を持っていた人だ。
えぇっと……確か、長谷部(はせべ)さん、だよね?
「お酒です。最初からずっと顔色が変わらないですから」
「あぁ、お酒ですか!強いですか、ね。あはは」
顔色も変えずにお酒をぐいぐいと飲んでる姿がかわいくないと思われてるんだろうなと思いながら、一応愛想笑いを振り撒いてみる。
こういう出会いを目的とした場で狙われるのは、笑顔がかわいくて明るい子、気の利く子、かわいいお酒はそこそこ飲めるけど顔が赤くなっちゃう子、そして、理子さんのようなセクシー系女子、っていうのは何となくわかってることだ。
私はそんな狙われ系女子からは正反対のところにいて、狙われる対象にならないことも自覚済みだ。
まぁ、無理に作ってもすぐにボロが出そうだし、そんな女子になる気もないけどさ。
「実は俺、酒が好きで。もしかして仲間かなぁと。あっ、でも誤解しないでくださいね。アルコール依存性とかではないですから!」
「!ぷっ」
まさかその口から出てくるとは思わなかった“アルコール依存症”という言葉に、つい吹き出してしまうと、きょとんとした表情で私のことを見ながら、長谷部さんが首を傾げた。