私は男を見る目がないらしい。
「相原さん、ビールこのまま交換しませんか?」
「え?でも」
「俺、結構これ、好きなんです。苦味が癖になって。だから、ぜひ」
「……いいんですか?」
「もちろんですよ。俺にはそれはちょっと物足りない感じがしたので、むしろ交換していただけると嬉しいです」
「ですか?じゃあ、お言葉に甘えて……」
ぺこっと頭を下げてお礼を言うと、長谷部さんはにこっと微笑み返してくれた。
……もしかして、最初からこうしようと思って?
だって、今私が持っているビールを長谷部さんが飲んだ時、美味しそうな表情を浮かべていたのに。
気を使ってくれたんだろうか?
さりげない優しさに、私の心に浮かんだのは“長谷部さんって素敵な人だな”という感情だった。
小さく灯った感情に、久しぶりに温かい気持ちになった。
ビールを飲みながら、ご飯を食べながらおしゃべりをする。
「あ、そうだ。相原さんに聞きたいことがあったんです」
「え?何ですか?」
「相原さんってこの前の合コン、自分から進んで来たんですか?」
「!な、何でですか?」
「いや、何となくですけど……俺と一緒なんじゃないかなと思ったので」
「同じ、ですか?」
もしかして、長谷部さんも合コンに乗り気ではなかったんだろうか?
友達に頼まれて数合わせだったとか?
……よく考えたら長谷部さんって、自分から進んで合コンに行くような人には見えない。