私は男を見る目がないらしい。
「……っ!そんなお気遣いはいりません!仕事ですから!」
「別にいいのになぁ。よしっ、相原さんが説明してくれるっていうし、今日の結果まとめたら帰るか~」
「ちょ、田仲さん先に帰るんですかっ?無責任なっ!しかも、私明日以降のことは何も引き受けてませんからね!明日からは他の人に頼んでください!」
「いや、明日以降も相原さんでよろしく。これ、先輩命令ね。ってことで俺居ても仕方ないし、相原さんは信頼できる後輩だから全てを任せるよ~」
「あぁっ、ちょっと田仲さんっ!?」
私の言葉には全く振り向こうともせず、ふんふーん、と鼻歌を歌いながら田仲さんが部屋から出ていく。
……気付けば、三浦さんまでいなかった。
私にこれ以上睨まれるのが嫌だったのかもしれない。
カタン、と朔太郎が椅子から立ち上がる気配がした。
はっと振り向くと、私の方に向かってきていて。
反射的に後ずさるけど、すぐに壁にぶつかり、それ以上逃げられなくなった私と朔太郎の距離はすぐに縮まった。
「“相原さん”って、先輩にすごく可愛がってもらってるんだね?さすがだな」
「!」
「ってことで先輩たちの了解も得たし、これからよろしくな?“相原さん”。」
「~~っ!」
そう低い声で言って、朔太郎は笑顔を浮かべた。
口の端をくいっと上げて、何かを企んでいるような表情だ。