私は男を見る目がないらしい。
「高校の頃もハキハキしてるところ、多かったですよ。そういうところ、みんなに信頼されてました」
「やっぱり!生まれ持ったものなんだろうね~」
「……!」
あることないことぺろりと喋って相手を持ち上げるような発言が、営業の人間なんだという気がした。
確かに昔からズバズバと言葉を投げてしまうことは多かったけど、高校のクラスメートから信頼なんてされていた覚えなんてないし、朔太郎だってそんなこと思ってなかったはずだ。
……何で朔太郎はこんな発言をするんだろう?
もしかして、私と仲のいい知り合いってことを匂わせて、「案件のことは私に聞け」って言うように仕向けた……?
いや、でもそんなことをする理由が全く思い付かないし。
わざわざ捨てた女に近付くなんて……そんな意味のないこと。
何にしろ……今の朔太郎は危険だ。
このまま放置していたら、私と朔太郎が仲良し、っていう変な誤解が生まれてしまうし、いつ余計な発言をされるかもわからない。
それはすごく困る。
私は話の流れを断ち切るように、朔太郎に話し掛けた。
「用事はなんでしょう!?仕事のことですよねっ!?仕方ないので今日は私が承りますからっ!」
「またまた~そんな堅苦しくしなくても。これからここで話す時は、俺らのことは気にせずにいつも通り話してくれていいから」
田仲さんがけらけらと笑う。