私は男を見る目がないらしい。
 

「たぶんまだ気持ちは追い付いてないけど……私でよければ、付き合ってもらえますか?」

「…………えっ?」

「……この前の返事、デス。」

「えっ?ここで?」


長谷部さんはキョトンとした様子で私を見るけど、長谷部さんが驚く理由もわからなくはない。

だって、ここはまだ繁華街の中で、周りには人がたくさん行き交っているから。

全くムードの欠片もない。

でも、ムードなんてあっても緊張するだけだし、今伝えたいと思ったから。


「や、驚きすぎて……」

「たまにはいいでしょ?」

「……いや、相原さんには驚かされっぱなしだけどね。くくっ」

「……でも、そんな私を受け入れてくれるんだよね?」

「……もちろん。OKくれたってことは、相原さんもどんな俺でも受け入れてくれるんだろ?」

「うーん……どうしよっかな」

「なにそれ?酷いなー。くくっ」

「ふふっ」


くすくすと二人笑いながら、ゆっくりと歩みを進める。

こういうのって、何かいいと思う。

 
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