私は男を見る目がないらしい。
 



「へぇ。結構いいところに住んでるんだね」

「この公園いいでしょ?天気がいい日はよく散歩するんだ」

「そうなんだ?ちょっと寄ってもいい?見てみたい」

「え?うん……、っ!」


頷くのと同時に、手が温かさに包まれる。

長谷部さんが指を絡ませるようにして手を繋いできたから。

労るように優しく握られる手から、熱が全身に広がっていく。


「……なーんて。それはただの口実で、本当はもう少し相原さんと居たいだけなんだけど」

「!……うん。私も、もう少し一緒に居たい」

「それは良かった」


嬉しそうな長谷部さんの言葉を最後に、会話が途切れた。

でも、空気が重苦しいわけではなくて、私は手を引かれるままに長谷部さんの少し後ろを歩く。

空気はすごく冷たいけど、不思議と寒さを感じないのは長谷部さんがいてくれるからだろうか。


「……相原さん」

「……うん、何?」

「……名前で呼んでも、いい?」

「っ!……ど、どうぞ」


突然の質問につい身体を強ばらせてしまい、長谷部さんの手を握る手に力がこもってしまった。

 
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