私は男を見る目がないらしい。
 

「ふ、何で緊張するの」

「……や、だってさぁ……」

「いや、全然いいんだけどね。そういうところもすごくかわいいから」

「!」


突然立ち止まったかと思えば、長谷部さんが私の手を軽くくいっと引いて、向き合わされた。

近距離から降ってくる長谷部さんの視線。

恥ずかしいと思ったけど、目は逸らしたくないと思った。

……長谷部さんの瞳に吸い込まれそうだ。

ドキドキが速くなっていくのを感じていると、長谷部さんがふと柔らかく笑って口を開いた。


「……好きだよ」

「っ、」

「……美」

「美桜!?」

「っ!?」


長谷部さんが私の名前を呼ぼうとしてくれた瞬間、飛び込んできた声。

私はビクッと身体を震わせて、反射的に声の聞こえてきた方向を振り向いた。

そのよく知っている声で、薄暗いとは言え、淡く周りを照らす電灯のお蔭で、はっきりとその姿は見てとれる。

 
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