私は男を見る目がないらしい。
 

……近付いてくるのは紛れもなく、朔太郎だ。

何で、ここにいるの?

もしかして、私を待ってたの?

でも、何で……

動揺してしまって、私は何も言えずに立ち尽くすことしかできない。

そんな私の様子を見てか、長谷部さんからいつもよりも低い声が降ってきた。


「……知り合い?」

「っ、あ、あの」

「美桜っ」

「っ!」


朔太郎が1メートル先に止まった。

私は二人のどちらの顔も見れず、俯いてしまった。

どうしよう……っ。

長谷部さんに、朔太郎のことを何て説明すればいい?

元カレ、なんて言えないし……

会社の人って言えばいいのかな?

どうすれば……

こんな場面ははじめてで、私はどうすればいいかわからなかった。

 
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