私は男を見る目がないらしい。
 

はぁと朔太郎が大きくついたため息の音がその場に響く。


「……長谷部さんは前いた会社の先輩なんだよ」

「は?先輩……?」


ってことは朔太郎は昔MRだったってこと?

しかも、長谷部さんと同じ会社ってことは、今以上に大きな会社にいたってこと……?

そんなこと一言も……


「俺、1年前に会社辞めたけど……その時、長谷部さんは結婚してた。っていうか、同じチームの先輩だったから結婚式には俺も行ったし」

「い、意味わかんない。朔太郎、冗談やめてよ……、それも嘘なの?」

「冗談じゃねぇし、嘘でもねぇよ」

「でも……っ」


長谷部さんが結婚してるなんて、信じられるわけない。


「……相原さん。小西の言う通りだよ」

「え……?」

「こいつの言ってることは、真実だ」

「ちょっと待って……?長谷部さんまで何冗談……だって、彼女はいないって言ってたし」


長谷部さんの口から肯定する言葉が出てきて、私は何を信じたらいいのかわからなくなった。

でも、本人が言うってことは……今朔太郎が言ったことは本当のことなんだろうか?

本当に結婚してるの?

じゃあ何で私のことが好きだなんて言ったの?

付き合おうなんて言ったの?

どういうことなの?

 
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