私は男を見る目がないらしい。
「やめてよ!……どうせ、私は身代わりだったんでしょ!?」
「はぁ?身代わりって何だよ」
「朔太郎が好きなのは高校の頃も今も私なんかじゃなくて、あの幼馴染の子なんでしょ!?年末に柚神駅のところで仲良さそうにしてるところ見たんだから!長年の想いが伝わったんでしょ!?だから私のことは捨てて、あの子のところに行ったんでしょ!?」
「年末?……あぁ、あの時か。なんだよ、あの日見られてたのか……タイミングの悪い」
「だからもう、私のことは構わないでよ!あの子のことだけ見てればいいじゃない!朔太郎のことで苦しい思いするのは嫌……っ」
長谷部さんにあんなことをされた後なのに……朔太郎よりももっと卑劣な騙され方をしていたのに、私の頭の中を占めるのはすでに朔太郎だけ。
……結局は私も長谷部さんのことを騙していたことになるのかもしれない。
……たとえ、長谷部さんが純粋に私のことを本当に想ってくれていて、これから先私も長谷部さんのことを好きになれていたとしても。
だって今はまだこんなに朔太郎のことが好きなんだから。
バカにされていても、騙されていても、一緒にいればいるほどその想いは募る。
忘れることなんて、やっぱり今の私には無理だったんだ。