私は男を見る目がないらしい。

　

「話しなさいっ」と理子さんがずいっと迫ってくる。


「話します話します。でも、私の前に理子さんの話を先に聞きたいです。ずっと聞きたくてうずうずしてることがあって」

「あたし？何？」

「合コンの時の美容師さんとはその後どうなんですか？」

「！っあー、あれね。やられたわよ」


理子さんは手を横にぶんぶんと振りながら、苦虫を噛み潰したような嫌な表情を浮かべる。


「……ヤッた、じゃなくて、やられた、ですか？」

「やだ、下品ねぇ。まぁいいけど。確かにヤッたけど、やられたの。……あいつ、結婚してた」

「……。」


驚く反面、どこか納得した部分があった。

……あの合コンは最悪なメンバーが二人もいたってことか……。

もしかしたら全員そうだった、なんてオチだったりするんだろうか？

他の人たちは大丈夫かな……。

被害が多くなければいいなと思いながら、はぁ、と私はため息をついて、口を開く。