私は男を見る目がないらしい。
 

「!な、何?」

「いや。……美桜、綺麗になったな、って思って」

「っ!お、お世辞なんていらないし!」

「お世辞じゃねぇし。本当に……綺麗になった」

「っ……、そ、それは、ドウモ。」


突然の誉め言葉に動揺してしまって、私は朔太郎から目線を逸らした。

“綺麗”なんて言葉は滅多に言われるものじゃないし、今の朔太郎は昔に比べて数倍カッコいいから、余計にドキドキしちゃうんだけど……。

しかも、朔太郎ははじめてを捧げるくらい、好きだった人なんだよ?

昔好きだった人にそんな甘い言葉を言われてドキドキするなって言う方が無理な話だ……。

まぁでも、そんな言葉はきっと久しぶりに会った元カノに対してのただの社交辞令で。

言うなれば、その場のノリってやつ。

だから、本気にしたって意味なんかないし、さらっと流しておくのがいい。

 
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