私は男を見る目がないらしい。
私は心臓を落ち着かせるようにフゥと小さく深呼吸をして、ドキドキを振り切るように軽口を叩く。
「あ、ねぇ。朔太郎は最近どうしてんの?それだけ痩せて背も伸びてカッコ良くなったんだし、彼女の一人や二人いるんでしょ?選り取り見取りなんじゃない?あ、もしかして結婚してたりするとかっ?」
そうだよ。
これだけ外見が変わってたら、きっと周りは放っておかないはずだ。
もしかしたら、あの時の彼女と今も続いていて、結婚してたりするかもしれないし。
それはそれでちょっと切ないけど、それも十分にありえる話だ。
でも、昔付き合ってた人だし、幸せになってくれていた方が気持ち的には嬉しい気はする。
私の軽口を聞いた瞬間、朔太郎の表情からすっと笑顔が消えたことに私は気付いた。
真顔で、真っ直ぐと私のことを見ている。
私、何かおかしいこと言った?と不安になった私は、首を傾げて朔太郎の顔を覗き込んだ。
「……朔太郎……?」
「……いねぇよ。彼女なんて。結婚もしてねぇ」
「あっ、そ、そうなんだ!?それはドンマイだねっ!」
ははっ、と笑うけど、変わらず朔太郎は真顔だ。