私は男を見る目がないらしい。
 

……何でそんな顔するの?

そんな目で見ないでよ。

……心臓、壊れそうになるから。

朔太郎が“綺麗”と言ってくれた時から、全身が心臓になってしまったみたいに、私のドキドキは最高潮まで上り詰めていた。

元カレなのにこんなにドキドキしてしまうなんて、私はどこかおかしいのかもしれない。

好き、って気持ちまで、戻ってくる感覚……。

……いやいや。

お酒も入ってるし、久しぶりに再会したことであの頃の気持ちが蘇ってきて、一時的に熱が上がってるだけだ。

ただの錯覚。

雰囲気にのまれちゃいけない。


「美桜は?」

「え?」

「美桜はどうなんだよ。彼氏とかいんの?」

「あー……、うん……」

「……いるのか?」

「……や、いた、けど……1ヶ月前に別れた」

「……ふぅん。じゃあ今はフリーってことか」

「うん、まぁ……」


目を細めてじっと見てくる朔太郎に耐えられなくなって、私は目を逸らした。

でも……まだ朔太郎の視線をびりびりと感じる。

 
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