私は男を見る目がないらしい。
昨日朔太郎にキスされてから、私の気持ちはどんどん朔太郎に引き寄せられていって、早送りで時を巻き戻すかのように一気に膨らんでいった。
だけど、それを認めるのが怖くて、反発して、距離を置こうとした。
朔太郎は久しぶりに再会した勢いで「よりを戻そう」なんて言っている可能性が高いんじゃないかって思ったし、また昔と同じように朔太郎に裏切られてしまったらもう立ち直れないって思ったから。
でも、今私の心の中いっぱいに広がる泣きそうなくらいの朔太郎への気持ちは、昔以上で。
抑えられないところまできてしまった。
ここで終わらせてしまえば絶対に後悔が付きまとう。
さっきのキスだって本当はすごく嬉しくて……もっと触れて欲しいと思った。
……もっと触れたいと思った。
……朔太郎が好き。
……これが、傷つくのが怖くて朔太郎の言葉を簡単に信じることのできなかった、臆病な私の本音。
でも、本当によりを戻すなら、その前に確認したいことがあるの。
……もう、あんな苦しい思いをして泣くのは嫌だから。
もう少しだけ、朔太郎の気持ちを確認したい。
「好き」って言ってくれたその言葉を、もっとちゃんと信じさせてほしい。
近付いてくる朔太郎の胸に手を当てて、その動きを止めた。