私は男を見る目がないらしい。
スクランブルエッグを一口食べると、ふわっとした甘さが口に広がった。
「……おいしい!なにこれ~甘いスクランブルエッグなんてはじめて!」
「結構いけるだろ?朝は糖分重要だからな」
「……うわ、私より女子力高い」
「ぷ、何だよ、それ」
くすくす笑いながら朔太郎はトーストにかぷりとかぶりつく。
たかがスクランブルエッグ、されどスクランブルエッグ。
朔太郎は本当に料理ができるってことがわかった気がした。
私もそこそこ作れる方だとは思うけど……もしかしたら、私より上手いかもしれない。
って、のんびり考えてる暇なんてないんだった!
ぱくぱくっとスクランブルエッグを口に運びながら、朔太郎に疑問を投げ掛ける。
「ねぇ、私8時に出るけど、朔太郎は?会社ここから近いの?」
「ここからなら8時半に出れば十分間に合うかな」
「そうなの?」
「うん。でも、俺、今日は有給だし~♪」
「嘘!そうなの!?だからのんびりしてたの?ズルい!」
「あーはいはい。ズルくて結構。ほら俺のことはいいから、美桜は急がないと。後、15分」
「ひ!」
慌ててトーストをかじる私を見て、朔太郎は楽しそうにくすくすと笑っていた。
バタバタでゆっくり味わうことはできなかったけど、二人で食べる朝食はすごく楽しくて、いいなと思った。