恋物語。




「知沙“で”いいんじゃなくて…知沙“が”いいんだ…。俺は…知沙以外との未来なんて…全然考えられない。だから…知沙と一緒になりたい。」



「……」




聡さん…っ




「知沙…結婚しよう。」



「……はい…っ」


私はできる限りニコッと笑ってみせた。



「…ありがとう。」


聡さんもニコッと笑うと…私の左手を取る。



「あ…」



「え…?」



「ごめん。今、気づいた。ネイル…してたんだね?」


聡さんは、バツが悪そうな顔をしていた。



「あ、はい…」



「綺麗だよ…?でも……こうやった方が…もっと綺麗…」



「っっ…」


聡さんはそう言いながら薬指に指輪をはめた。


聡さんから贈られた“婚約指輪”は見とれてしまうほど本当にすっごく綺麗で…
真ん中にある紫水晶は私の誕生石“アメジスト”だということが、すぐに分かった。



すると―…、




「っ…!!」


聡さんは私の顎を捉えて…そのまま唇にキスを落とした――。





「……知沙を悲しませたりなんてしない。絶対に幸せにするから。」



「はい…」



そう…真剣で…強い瞳で言ってくれた聡さんの言葉を…私は信じていこうと思います。



聡さん…私は、あなたに出会って様々な感情を知りました。


遠く昔に置いてきてしまった“好き”の感情を思い出させてくれたのも聡さん。
嫉妬とか…心から信じ切れずに不安な気持ちを抱いてしまったのも…聡さん。



あなたは…後にも先にも私の“大切な人”です。



だから…私もあなたを幸せにします。あなたを…笑顔にします。
こんな私を選んでくれて…本当にありがとう…。




聡さん…大好きです―――…。






【END】



< 126 / 148 >

この作品をシェア

pagetop