恋物語。
撮影スタジオ中央には真っ白のテーブル、真っ白のソファ。真っ白の本棚。
そして…真っ白のベッド。カーペットですら真っ白だ。
その中にパステルカラーの服を着た私が入る。
撮影のコンセプトは井上さんから事前に聞いている。テーマは「OLの休日」
だからモデルさんやタレントさんではなく、それが私を起用した理由…らしい。
「ふぅ…」
ほんとに緊張するよ…。どんなことしたらいいのかな…。
何をしたらいいのか分からないので、とりあえずスリッパを脱ぎカーペットに座ってみた。
「知沙さーん?緊張してます?」
「へっ…!?あ、はい…」
黒いカメラを持った男の人がそう言う。見た目は…私とそんなに変わらないであろう年齢だと思う。
そんな…緊張しない方が無理だよ…。だって…かなり大勢の人たちが見てるんだもん…っ
それにっ…聡さん、だって…っ
「っ…!」
そう思いながら辺りを見回すと…彼と目が合った。
「ですよね~?まぁ家にいるみたいな感じでリラックスして下さい。そのありのままを撮りますので」
「あ…はい…」
とは言ったものの…どうしたらいいんだか…。
「あ。そこの本棚にある本とかも見てもらっていいですよ。」
その彼はカメラのファインダーを覗き込みながらそう言う。
「はい…」
あ、そうなんだ。これ…見てもいいんだ?
彼のその言葉を受け後ろの本棚に手を伸ばし雑誌を手に取りテーブルの上に広げた。
それと同時にカメラのシャッター音が響き始める。
「ぁ…」
私が手に取ったのは、とあるファッション誌。
背表紙、というか表紙をカバーで覆われていたので開くまで、なんの雑誌なのか分からなかった。
それにこのファッション誌は…私が時々買うものだったりする。
しかもこれ…最新号…?こんなとこで見れるなんて何だか得した気分。
そう思うと自然と頬が緩んでしまう。それをカメラマンの彼はパシャパシャと撮っていく。