【更新中】キミの声、聞かせて
「この歳で弟が出来るなんて思ってもなかったから最初は戸惑ったけどね」


“今は可愛い弟さ”と受け入れてるみたいだった


「ごめんね。樹里ちゃんにこんな話して」


あたしは横に首を振った


「そういえば、あの子この学校の子じゃないよね?」


本間くんは奈那のこと言ってるんだろう


《冬華と同じくらい信頼してる人。あの子がいなければ今のあたしはいない》


本間くんは大翔と同じようにあたしの書いた文字を頷きながら最後まで読んでくれる


「てことは大翔も知ってるの?」


《奈那には転校のこと言わずに来たの。再会出来たのは大翔のおかげ》


大翔の後押しがなければ奈那と再会出来てなかったと思う


「大翔も樹里ちゃんも雰囲気柔らかくなったよね。最初は樹里ちゃんに話しかけづらかったし」


声が出ない分、人との接し方がわかんないんだよね


「でも、接してみたらいい人。だから晴太のことも話せたんだ」


本間くんはニコッとはにかんだ


《あたしも父子家庭だから。引っ越してきておじいちゃんとおばあちゃんと一緒だけどね》


「なんか似てるんだね。親近感わくよ。樹里ちゃん優しい」


《本間くんだって優しいよ》


大翔には叶わないけど…。
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