きみの、手



「好きです、付き合ってください!」

「断る」



好きな人に気持ちを伝えたら、悩む間も無くフラれました。



「えっ…えっ?今何て?」

「だから断る。お前とは付き合わない」

「……」



青空の広がる、会社の屋上。

その端であまりにもバッサリと言う言葉にぽかんと口を開ける私・真中響に、目の前の彼・城田洋介はスーツのポケットに手を突っ込み、黒髪を揺らし冷ややかにこちらを見る。



「どうしてですか!?私のこと知ってます!?広報部の真中っていうんですけどっ…」

「お前が誰だろうと関係ないしどうでもいい。俺はお前と付き合う気持ちにはならない」

「何でそんな頑なな…」

「女自体に、興味がないからだ」



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