きみの、手







「お疲れさまー」

「お先に失礼しまーす」



翌日の夕方、仕事を終え皆が続々とオフィスを出る中私はうーんと伸びをする。



「真中さん、お疲れさま。今日一日お昼も抜きで仕事しっぱなしだったね」

「あはは、急ぎの仕事だったんで」



そうしていると声をかけてくれた先輩に、笑って返し手元の書類をしまい込んだ。

いつもはお弁当を持って一番に屋上へ向かうお昼。けれど今日はそんな気持ちにはなれなくて、仕事を口実に席から離れなかった。



…先輩とも、少し距離を置くべきだとも思うし。もし先輩がすでに彼女に気持ちを伝えてて、復縁とかしてたら…どう考えても私邪魔だし。

考えると、また切なくなる。



「っ、よし!私もあがります!」

「うん、お疲れさま」



そんな沈む気持ちを振り払い、私は席を立ちロッカールームへと向かった。



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