好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
思わず大きな声を出してしまい、周りの人がこっちに視線を向ける。
慌てて声のボリュームを下げる。
「付き合ってないですよ!」
あたしがそう言うと、あかりさんは意外、とでも言いたげな顔をした。
「そうなの?」
「そうですよ。
大体、何でそんなこと…」
「いやー、この前ね。
涼がケータイいじってる時にチラッと見えたのよね。
待ち受けのつぐみちゃんが」
待ち受け……って、もしかしてあれ?
だから消してって言ったのに!
何か勘違いされてるじゃん!
「でも、違うのかー。
なーんだ、つぐみちゃんならいいなって思ってたのに。
……てか、彼女じゃない女の子の写真待ち受けにしてるのってどうなの?」
独り言のようにぶつぶつ呟くあかりさん。
「ケータイ開くたびにニヤニヤしてたからさ。
そうなのかと思ってたのに」
ニヤニヤって……。
「未来の妹がつぐみちゃんだと思ったのに」
「気が早すぎですよ……」
「でも、ぶっちゃけどうなの?
涼のこと。
アリ?ナシ?」
あかりさんが何やら楽しそうな顔をしながらそんなことを聞いてくる。
どうなのって……