好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―


結局お昼の件は瀬戸に押し切られる形で決まってしまった。

亜美ならこの突然の事態もOKしてくれそうだけど。

それにしたって今日の瀬戸はおかしい。


それからも休み時間になる度にあたしのところに来る瀬戸。

今までも休み時間に話したことはもちろんあるけど、こんなに毎回毎回ではない。


「さっきの先生、意味分かんなくない?
俺、何もしてないのに怒られたしー」

「いや、何もしてないから怒られたんでしょ……」


ノート取れって言われてたじゃん……。


「つぐみちゃん、後でノート貸してね」

「え、あたしの?」

「そうだよ、他に誰がいるの」

「広里君とか……」


あたしより遥かに成績良さそうですけど。


「ヒロ?
あー、いつもはヒロに借りてるんだけどね。
今日はつぐみちゃんに借りたい気分」


どんな気分なの、それ。

と、心の中で一応突っ込むけれど……決して嫌な気分ではない。

こうして瀬戸が話しかけに来てくれることも嫌なわけじゃない。

ただ、瀬戸の様子がおかしいってことが気になるのと……。


……あたしは自分の席から少し離れたところを見る。

そこでは結衣が頬杖をつきながらこちらを複雑そうな表情で見つめていた。


……結衣がいるところでは、あんまり話しかけてほしくない。

そう思っている自分がいる。

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