好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
昼休みが終わって教室に戻ってきても瀬戸は相変わらずだった。
「ねー、今日一緒に帰ろうよー」
「だから、今日はみんなでクレープ食べに行くんだって」
文化祭準備が終わったら女子でクレープ食べに行こうよっていう約束がある。
「えー。じゃあ、俺も行こっかなー」
「はぁ?」
……やっぱり、今日の瀬戸はおかしい。
今までこんな教室で誘ってくることなんてなかった。
昼休みに邪魔しに来た時も思ったけど。
友達といるところに入り込んでくることなんてなかったのに。
「……やっぱり、何かあったの?」
あたしがそう聞けば、瀬戸は笑いながらトボける。
「何にもないって。
俺がつぐみちゃんと一緒にいたいだけ」
……そんなこと言われてときめきながらも、内心疑っている。
本当は何かあったに違いないのに。
瀬戸って分かりやすいんだか分かりにくいんだか分からない。
「じゃあ、瀬戸も来るー?」
「ちょっ、リホ!」
「え、いいの?マジ?」
「よくないって!」
「いいじゃん、つぐみ。
瀬戸の愛を受け止めてあげなよ」
「そーだよ。
そろそろ受け止めてくれてもいいんじゃない?」
ニヒヒ、と冗談っぽく笑いながらそう言ってくる瀬戸。
……とっくに受け止める準備はできてるけど。
伝えられないのはあたしが意気地なしなのと……
チラッと斜め後ろを見る。
……やっぱり、結衣は面白くなさそうな顔でこっちを見ていた。