好きじゃない、はず。―ラブレター・マジック―
何でこんなにビクビクしてるんだろう、あたし。
結衣は友達のはずなのに。
何も怖がることなんてないのに。
こんな風になってしまうのは……結衣に対しての罪悪感があるから?
「どうしたの?バケツならすぐに持って行くよ」
なんて、何でもないフリをして蛇口をひねって水を止める。
結衣が聞きたいのはそんなことじゃないって本当は分かってるけど。
「……つぐみさ、瀬戸君と付き合ってるの?」
「え、」
付き合ってないよ、という意味を込めて首を横に振る。
「……思えばさ、つぐみおかしかったよね。
あたしがラブレターのこと頼んだときから……ずっと」
「そんなこと、」
結衣は何かに感づいている。
とりあえず非常にマズい状況だということは何となく分かった。
「……つぐみ、本当は瀬戸君のこと好きなんじゃないの?」
「え……」
「前に聞いた時は違うって言ってたけど。
でも、本当は……好きなんでしょ」
真剣な結衣の瞳。
……もう、ウソはつけない。
本能的にそう感じた。