紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~
「瀬谷君」
私の声にピタリと、瀬谷君の足が止まった。
呼び止めたのは私なのに…何故、瀬谷君を呼び止めてしまったの?と焦ってしまう。
あ、どうしよう?
何を話せばいいのかな?
今更、何でもない…なんて言えないし---
「何?」
「あ、あの…。えっと…」
クルリと振り返った瀬谷君は少し首を傾け、何とも嫌そうに目を細めながら私を見てきた。
あ、急に呼び止めてしまったから怒ってる?
オロオロしている私を見て更に嫌気がさしたのか、前髪に隠れていないもう片方の黒い瞳が冷ややかに私を睨みつけてくる。