紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~


「ではまた明日の朝、ここで綾香様を待っていますね」


「あ、うん。…ごめんね」


「いえ」



私に少しばかり残念そうな顔を残しながらも、それでもついものにこやかな顔を浮かべ、次郎丸は私に手を振ってくれた。



私も手を振り返し蓮のもとに戻ると、共に学園に続く道を歩き出す。


私達が少し歩いた所で、次郎丸達も歩き始めたのを後ろから感じた。





「ねぇ、蓮」


「何だ?」



蓮の瞳が、横にいる私を見つめる。




「明日…、本当に行くの?」


「………行く」


「何で?」



その言葉で押し黙ってしまった蓮は、私から視線を逸らした。



え?


言えない事なの?



ジッと横から蓮の横顔を見つめるが、一向に私を見ようとはしてくれない。



はぁー…。


思わず溜息をついてしまった私を気にしたのか、蓮がチラリと私を見てきた。


< 292 / 317 >

この作品をシェア

pagetop