紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~
いつの間にか私を掴んでいた腕が離れ、私の隣に佇む良牙はジッと鏡夜の後姿を目で追っていた。
その表情はまるで自分が傷ついたかのように辛そうな顔をしていたのは、気のせいなのだろうか?
「良牙?」
「………こればっかりはしょうがねぇ。だからと言って鏡夜の気持ちを汲んでデートしたところで鏡夜自身、喜こばねぇしな」
「そうだね…」
視線を私に向けそう言った良牙の言葉に頷き、そして良牙につられる様に私も歩き始めた。
私の横を歩く良牙をソッと伺い見ると先程の顔がウソのように、気だるげな顔の良牙がそこにいる。
…さっきの良牙の辛そうな顔は一体、何だったんだろう?
まるで自分自身が傷ついたような、そんな良牙の顔が妙に頭の中にこびり付いていて離れない。
無性に気になる…。
…聞いてみようか?
でも聞いたところで良牙はきっと、私には何も答えてくれないだろう。
それにこの男が細々と自分の事を話しをした日には、ちょっと薄気味悪い。