紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~
「綾香様、如何されましたか?」
「んー?何が?」
「いえ…。元気がないように見えますが」
「んー…。大丈夫………かも?」
「………全然、大丈夫じゃなさそうですよ?」
朝の生徒会の仕事を終え特別棟を出てすぐのところで私の親衛隊長、次郎丸が他のメンバー三人を引き連れて待っていた。
この三人は、親衛隊の幹部らしい---
朝、生徒会の仕事をしてから教室に行くという事を次郎丸に言っていなかったから次郎丸は私が学校に来ているのか心配してあちこち探し回ってくれていたようだ。
朝から本当に申し訳ない…とここにいるメンバーに謝り、これから暫くは生徒会通いとなる旨を伝えた所で何故か次郎丸に心配されたと言うわけだ。
勿論、もうすぐテスト期間に入るその間は生徒会も休みになる事は伝えておいた。
校内をまた、探されるのは申し訳ないしね…。
それより今の私、そんなに元気がなさそうに見えるのかな?
自覚はない…。
そう言えばさっき時政先輩に顔色が悪いから今日は生徒会を休みなさい、と心配されたっけ---