紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~


「今日はこのまま帰られた方が宜しいのでは?」


「大丈夫だよ」



心配そうな次郎丸にニッコリ微笑むと、次郎丸を含めたメンバーみんなは顔を真っ赤に染め上げた。




「でも…」


「大丈夫だってば。それじゃぁみんな、またね」



私のクラスまで送ってくれたみんなに手を振ると、そんな私に皆はお辞儀をする。




顔を上げた四人はまだ、その場から離れようとはしない。


私が教室の中に入るのを無事、見届けるためだから…らしい。




そんな事しなくても、大丈夫なのに---




みんなの優しさに触れ少しばかり気持ちが浮上したところでもう一度、みんなに軽く手を振ってから教室の中へと入った。


< 95 / 317 >

この作品をシェア

pagetop