STORMILY
むしろ私は同級生より、年上の人とコミュニケーションを取る方がまだ精神的負担が少なかった。


まぁそれは、基本年長者がその場の会話をリードするという暗黙の了解が世間にはあるからだろうけど。


私が頑張って話題を提供する必要はなく、相手の話に耳を傾け、所々言葉を挟む程度で済む。


実際先生とのやりとりもそんな感じだった。


「へぇ~。庄井、4月3日生まれなんだ?」


もう何度目になるか分からないランチの席で、お互いの誕生日の話になった。


「はい。だから両親は【さくら】と名付けたらしいです」


「なるほど。すごく可憐で、愛情のこもった名前だよな」


「そう……ですかね?」


私自身は【春生まれ】→【さくら】という、あまりにもベタでやっつけ感満載の安易な命名法だと常々思っているのだけれど。


我が子の誕生を待ちわびて、考えに考えてつけた名前じゃないというか…。


実際、今の私達はそれを裏付けるような親子関係になってしまっているしね。


「じゃ、春休みの間に、すでに一つ年を取ってるってワケだな」


「そうですね」
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