STORMILY
「さっきも話に出た、両親の遺産がその段階ではまだだいぶ残ってたから、それを最大限に活用させてもらおうと思って」


私が自分の世界に入っている間にも、話はどんどん進んで行く。


「と言っても、その金だけで高校入学から大学卒業するまでの学費と生活費、すべてをカバーするのはちょいと厳しかったんで、そこからバイト漬けの日々だったけど」


「えっと、奨学金とかは、もらわなかったんですか…?」


「ああ、そういう選択肢もあったけど、手続きが面倒だし、そもそもあれって要するに借金だろ?卒業後、無事就職できる保証なんてないし、そうなったらもうにっちもさっちも身動きが取れなくなっちまうからさ。だから自分で稼ぎながら勉強する事を選んだんだ。大変だったけど、まぁ、何とか無事に卒業できたよ」


「と、とても苦労されたんですね…」


年下でまだ高校生の私が言うのも何だか偉そうだなとは思ったものの、他に相応しい返しが思い浮かばなかった。


「てっきり、裕福で教育熱心なご家庭で大切に育てられた、優等生のお坊ちゃまなのかと思ってました…」
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