STORMILY
「へっ?お坊っちゃまって、この俺が!?」


目を丸くし、素っ頓狂な声を発したあと、先生は豪快に笑い出した。


「ハハハハッ。庄井、そんな光栄な感違いをしてくれてたんだ?」


「い、いや、私だけじゃなく、他の生徒も先生も、皆そう思ってると思います」


「でも実際は正反対の人生送ってたけどね。それどころか、俺が君らの年代の頃はだいぶ根性ねじ曲がってたし。あ。と言っても、「不良」ってのとはまたちょっと違うんだけど」


先生は一瞬間を置いてから、言葉を選びつつ話を再開した。


「グレられるのは…。何だかんだで、その生活が成り立つようサポートしてくれる誰かがいる、人生の回り道をしている余裕がある、ある意味恵まれた奴だけだから」


私はちょっとドキリとしてしまった。


「髪を染めたり酒やタバコを買ったり繁華街に繰り出す金があるんだったら、俺は将来に備えて一円でも多く貯金をする。人とケンカする体力があるんだったら、ハードなバイトをじゃんじゃんこなして金を稼ぎまくる。俺以外に、俺の為に頑張ってくれる奴なんかこの世に居やしないんだから、くだらない事で貴重な時間を無駄使いしてる場合じゃない」
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