STORMILY
でも、その積み立ても私が小学校6年生の時…つまり、両親が離婚した時点でストップしてしまった。


お母さんは生活費を稼ぐのに精一杯だったから、この通帳にまで入金できるような余裕はなかった。


でも、それは仕方のない事だと思うし、それまでに充分頑張って貯金しておいてくれたんだから、それに関してはとても感謝している。


中学、高校と進学する毎にここから引き出して来たので、それなりに減ってしまったけれど、それでもまだ250万円ほど残っていた。


これだけあれば、国公立大学の入学金と4年間の学費くらいは何とか賄えるだろう。


加賀見先生も言っていたけど、奨学金っていうのは返済しなくちゃいけないものがほとんどだから、私もできれば利用したくない。


だから私は学費のかからない大学に現役で合格し、バイトを頑張りながら通学して、必ず4年で卒業し、就職まで漕ぎ着けなければならない。


とてもプレッシャーだけれど、私にはそれしか方法がない。


頑張ろう。


お母さんだって、私が大学に合格さえすれば、きっと変わってくれるハズ。


それを信じて、私は今自分ができる事をやろう。


一人力強く頷きながら、私は通帳を元の場所に置き、静かに引き出しを閉じた。
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