STORMILY
「ウチらだって加賀見先生と仲良くしたかったけど、ずっと遠慮してたのに」


思わず歩みが止まる。


「ただ暗いだけで実害はないと思ってたけど、意外と厚かましくね?」


「ホントホント」


「マジで、超ムカつくよね…」


ギリギリ私の耳に届くよう、絶妙に調整されている音量の声だった。


足元から、ガタガタと震えが沸き起こって来る。


今まで、積極的にいじめられたりはしなかった。


誰にも干渉される事なく、自分のペースで、好きなように動く事ができた。


だけど、多分明日からは…。


私は恐怖がピークに達し、逃げるようにその場から駆け出した。


「あ、庄井」


昇降口前の廊下まで来た所で、何故かそこに佇んでいた加賀見先生と遭遇し、ギクリとしながら立ち止まる。


「今日はどうしたんだ?さっさと居なくなっちまって」


呑気に言葉を発しながら、至近距離まで近付いて来る先生。


……まさか私のこと、ここで待ち伏せしてた?


いつ誰に見られるか分からないのに。


「も、もう、私に話しかけないで下さいっ」


頭に血が昇り、私は思わず叫んだ。
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