STORMILY
「250万も残ってたのよね。これだけあるんだから、そんなに頑張って生活を切り詰める必要もないなって気付いたのよ。すぐにあんたも社会人になるんだし」


「え…?」


「あんたの稼ぎで生活して行けば良いんだから」


「で、でも、大学卒業して就職するまで、まだあと5年もあるよ?」


大いに戸惑いながらも、私は必死に反論した。


「金額だけ聞くとすごく多いように感じるけど、大学の学費として考えたら250万て結構ギリギリだもん。生活費としてはあてにしない方が…」


「だから、別に無理して大学なんか行かなくても良いでしょ?」


思わず言葉を失った。


「進学しない生徒の為に、学校側が就職先を斡旋してくれるハズだから。あんた成績はトップクラスなんだから、先生だって喜んで良い会社に推薦してくれるわよ」


信じられなかった。


私には大学に進学する意志があること、その必要性を、中学生の頃から進路相談の機会がある毎に説いて来たというのに。


「養育費はあんたが20歳になったらもらえなくなっちゃうんだから。その後2年間、まったく収入が無い状態で大学なんか通える訳がないでしょ。もう、高卒でさっさと就職しちゃいなさいよ」
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