STORMILY
毎日18:30に、当番の先生が校舎内の見回りを開始し、その際に屋上の扉を施錠されてしまうから。


だから私は絶妙なタイミングでここにたどり着いたという事になる。


アパートから徒歩で来たのは時間調整の意味で大正解だったのだ。


自分ではそんなつもりはなかったけれど、もしかしたら無意識に計算していたのだろうか?


普段はこの上なく要領が悪いのに、こういう時だけはスムーズに事が運ぶんだな、と思ったら、何だか可笑しくなって、思わず笑いを漏らした。


だけどすぐに表情を引き締める。


さて、と。


そろそろ、行こうかな。


私は目を閉じ、先ほどの母親とのやり取りを脳内で再現した。


じゃないと、踏ん切りがつかないから。


すぐに気持ちが昂り始め、私は自分が望む通りの、感情のコントロールに成功した。


ゆっくりと、目を開ける。


……風が強くなって来た。


いつもは階段室の外壁に守られていたから気にならなかったけど、遮るものが何もないと、こんなにもダイレクトにその威力を感じるものなんだ。


まるで今の私の心と連動しているようだ。
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