STORMILY
さらりと紡がれた衝撃告白に、思わずフリーズしてしまった私に視線を合わせたまま、先生は縁に右足をかけて、体を前に傾けた。


「っ!ダメ!」


私はとっさに両手で先生の手を掴み、全体重をかけて内側に引き戻す。


勢いあまって、手すりと縁の間に、二人重なり合って倒れ込んだ。


「やめてっ」


また同じ事を繰り返さないように、私の上に覆い被さる先生の体に必死に両手で抱き付き、動きを封じ込める。


「せっかく今まで頑張って生きて来たのに、私なんかの為に、死んだりしないで下さい!」


「……だったら、庄井も生きてくれ」


懇願するようなその声に促され、私は先生の胸に埋める形になっていた顔をゆっくりと上げた。


「大丈夫。お前はちゃんと、自分でこっち側を選んだんだから」


慈悲深い眼差しで私を見下ろしていた先生と視線がかち合った。


「これから大変だよな。色んな試練が待ってると思う。でも、俺がいるから」


先生は自分の背中に回されていた私の右手を左手でやんわりと外すと、手のひらを合わせ、指と指を絡ませ、ギュッと強く握りしめた。
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