ただ、そばにいて


水平線から、目が眩むほどの光を溢れさせて顔を覗かせる白い太陽は、

朝の静かな海を銀色に輝かせていく。


いつだったか、同じ景色を見ていた私の目には、波と戯れるナツの姿が眩しく映っていたけれど、今その姿は海にはない。

私の隣で、肩を抱き寄せてくれているから。

昨日ナツが見たいと言っていたのは、この綺麗な景色のことだったらしい。



「俺、ずっと朝の海が好きだった。見てるとそれに飛び込みたくなって。……朝海も同じ」



淡い黄色に染まるナツの瞳が私を捉え、吸い込まれそうな感覚に陥る。



「他のことなんてどうでもよくなって、抱きしめたい衝動に駆られる時がある。一度それに負けたら、もう抑えるのは無理だ」

「ナツ……」

「誰に何を言われても、俺は朝海がいてくれたらそれでいい」

「……私も」



ナツさえそばにいてくれたら

抱きしめ合えるお互いの身体があれば、それでいいよ。


おでことおでこをくっつけて笑う私達は、砂浜に打ち寄せる波のように、引き寄せ合って唇を重ねた。



「──愛してる」



手が届かなかった彼は、こんなに近くにいる。

これからは二人で、一緒に同じ景色を見ていこう。

肩を寄せ合いながら、私達はゆっくり昇っていく太陽をいつまでも眺めていた。





  +……End★+



< 27 / 27 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:42

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

アラフォーバツイチ、花ざかり。
  • 書籍化作品

総文字数/99,290

恋愛(純愛)197ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
アラフォーで、バツイチで ひとりの生活は謳歌しているけれど シミも白髪も増えたし 身体にも不調が出やすくなってきた。 現実では胸キュンする感覚も忘れてしまって もう恋なんてしないと思っていたのに…… 「恋愛するなら俺としろ」 ──人生は予想外の出来事の連続だ。 公開 2026.4.1〜 完結 2026.4.5 ⋆⸜ ベリーズ文庫with5月刊にて発売予定 ⸝⋆ (こちらは編集作業前のものです) ※最後の一章を残しての公開としています。 これで完結ではありませんのでご注意くださいませ。 ぜひ書籍で 最後まで見届けていただけたら幸いです!
表紙を見る 表紙を閉じる
仕事では超敏腕、プライベートは遊び人?な 人たらし外科医 × 人前ではおしとやか、普段は無愛想な 純情社長令嬢 心を癒やし合うふたりのラブコメディー♡ 公開 2026.1.15 ⋆⸜ マカロン文庫1月刊にて発売中 ⸝⋆ こちらは試し読みになります。 ※スピンオフとなっておりますので、 【余命一年半。かりそめ花嫁はじめます】 【冷酷社長な旦那様が「君のためなら死ねる」と言い出しました】 ↑こちらの作品を読むとよりお楽しみいただけます!
ちびっこ息子と俺様社長パパは最愛ママを手放さない
  • 書籍化作品
表紙を見る 表紙を閉じる
愛し合い、別れ、再び巡り会って ようやく幸せになれた ……はずだったのに。 「ママにくっつくな」 小さなライバル登場で前途多難な予感!? 𓂃٭𓂃٭𓂃٭𓂃٭𓂃٭𓂃٭ たくさんの苦難を乗り越えて 最高に幸せな家族になるまでの物語 𓂃٭𓂃٭𓂃٭𓂃٭𓂃٭𓂃٭ 公開 2025.9.12 ⋆⸜ ベリーズ文庫10月刊にて発売予定 ⸝⋆ ※こちらは試し読みになります。 続きはぜひ書籍でお楽しみください!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop