ヤクザの家族になっちゃった!?



目が覚めた頃には海目前まで来てた。

車内から見る海は透き通ってて、

すごくきれいだった。

でも、


自然は恐ろしい。


こんなに済ました顔をしてるのに

怒ったときは何人もの命を奪うんだから…。


ボケーっと外を眺めてると

横にいる龍之介さんがそわそわした様子で髪をいじってくる。

「どうかしましたか?」

そう、尋ねると、

「…お楽しみ、だもんな」

って、嬉しそうに。

…お楽しみ?

なんのことかな?

なんて考えてたら、

はっと思い当たった。

み、水着…。

やばいって、

結局一週間じゃダイエットらしいダイエットもできなくて

落ちたと言えば五百グラムだけ!

もう、落ちたとも言わないかもしれないくらいしか落ちてないのよ、

どうしよう、

見た瞬間

うわ、お腹プヨプヨ

とか言われたら…

一緒に着替えるであろう奈美恵さんもるりもスタイルいいからなぁ…

あー、パーカー持ってくればよかった。


自分の記憶力のなさに失望しながら

電車を降りた。


< 126 / 257 >

この作品をシェア

pagetop