ヤクザの家族になっちゃった!?



「…っや」

やっとでた声。

でもそれはいつもより何十倍と小さくて

きっと目の前にいる男にすら聞こえてない。

「優しくするから安心しろな」

そう言ってまたにたっと笑った男。

「おいおい、独り占めは良くないぜ?」

そう言ってもう一人もまた近づいてくる。

もぉ…ダメだ…。

私はもう、諦めにはいった。

もう、どうすることもできないもの。

男たちの手が私に触れる度、

泣き叫んでる心。

それと反対になんの表情も出なくなった顔。

離してほしいと叫んでいるのに

心の奥底からでてこない。


一人の男が私の太ももをスーっと

手で撫でた

ぞわぞわぞわぞわぞわ

気持ち悪い…。

いやだ、助けてよ、


そう考えたときに一番最初に出てきたのは

龍之介さんの顔、



龍之介さんー…。


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